

弱虫ペダル NEW GENERATION 1話 最後の峰ヶ山 反応・感想
「隠し事してたわね、坂道!」
「だ、だから何度も説明したじゃないか」
「あなた、自転車で富士山まで行ったわね?!」
「インターハイってなにかしら?」
「えー、要するに、全国で一番早く富士山に登った男になったゆうことです」
「それはすごいわ」
「小野田君、雑誌載っとります」
「まあまあまあ、かっこいいわねえ。ほら坂道、いい写真よ」
「いいよ、もう見たから…」
「よかったわぁ、あのときカメラ車に忘れたから写真撮れなかったのよね、坂道の」
「いたのぉ!?」
「おったんかい!」
「あら、言ってなかった? 見てたわよ、表彰式までばっちり!」
「今泉君、鳴子君。坂道のことお願いね。坂道、これからも気を付けて自転車頑張りなさい」
「うん。いってきます!」
「おはよ、今泉君! 開店時間ぴったりね。今日はバス?」
「ああ。停留所から遠いぞここ」
「でも、愛する者のためならば、ってね!」
「誰が愛するだ! で、出来てんのか?」
「新しいフレームだ。コンポもホイールも一新してある。お前の新しいバイクだ」
(すごい、ダイレクトだ。脚の動きにバイクが誤差なく反応してる感じだ。しかも軽い。40キロから上でもう一段加速する!)
「今回、コンポは電動化してある」
「電動…ですか?」
「今まで物理的にワイヤーで引っ張って行っていた変速を、電気信号でモーターがやる。スイッチでギアを変える感覚だ。このバッテリーで、約1500キロ走れる。追い込まれたギリギリでも、確実にシフトできる。これは大きなアドバンテージになる」
(シフトチェンジにかかる時間の誤差は、ゼロだ。すげえ。ありがとうございます、神崎さん)
(来年もインターハイに出る。全国から集まる強い奴を蹴散らす! 俺が、総北のエースとして!)
「ど、どうもです! あの、神崎さんに呼ばれたんですけど」
「表のクロモリな、インハイ走った、お前の」
「返せ」
「…そんな…」
「その代わり、コイツに乗れ」
「カーボンモジュール成型、フレームは全て炭素繊維で出来てる。今までのクロモリに比べて、重量は半分だ」
「半分…」
「私にだって、軽々持てるのよ」
「クライマーにとって軽さは肝だ。もう一歩先に行け。小野田」
「その欲求に、そいつなら確実に応えてくれる」
(なんだ、これ。軽い。3センチくらい浮いて走ってる感じだ。すごい!進む!)
「こいつは、楽に、遠くに、速く移動し、ここってときに回せるバイクだ。お前に合ってる」
(回る。たしかに、インターハイのときより。もっと、回せるかもしれない!)
「おいおい、なんやその新兵器」
「さっき、神崎さんに渡されて」
「黄色のカーボンフレームか。派手でかっこええやないかい!」
「どうだ、新しいバイクは」
「うん、重い自転車と軽い自転車は乗り方が違うって、慣れるまで時間がかかるけど、慣れたら、劇的に速くなるって神崎さんに言われたんだ」
「かっかっか! スカシはフレームに電動コンポ、小野田君はニューバイクやて? 考えることは同じやな」
(なんだ、この音? 風切音? 太い、大きい、何それ!?)
「山ではホイールの軽さが重要。 平坦ではホイールの風の抵抗が重要。前から受けた風をいなし、そして推進力に変える! これがスプリンター究極のホイール、カーボンディープホイールや!」
「すごい…」
「ああ、わかってるよ、兄貴。荷物も大体まとめたっしょ、大丈夫だって、そっちの方も話をする。ああ、じゃあな」
(総北高校自転車競技部、いいチームだったっしょ)
(けど、さよならだ)
「なにしょげた顔してんしょ、俺。インハイ、念願のてっぺん取ったっしょ。笑って去ろう」
「さて、最後の峰ヶ山、登ってくるか」
「――ええっ!? 巻島さんが!? はい、大学行くゆう話なら聞いてますよ。けど、なんで海外なんすか?」
「あいつの兄貴がイギリス行ってて、独立してるらしいんだけど、それを手伝いながら、向こうで生活するそうだ」
「そんな話聞いてませんよ!」
「巻島さん! いまから練習ですか?」
「小野田、いまから一本、峰ヶ山行くんだが、付き合うか?」
「いま丁度僕、峰ヶ山登ってきたところで、あの、また、今度でいいですか?」
「ああ」
「あの!やっぱり、一緒に行っていいですか?」
「あ、なんかちょっと、胸がざわってなっちゃって…行きましょう!峰ヶ山!」
(こいつ…鈍いんだか、鋭いんだか…)
「ああ。行こうぜ!」
「自転車は、楽しいか?」
「はいっ」
「最近、いつも話してるんですよ。鳴子君と今泉君と。三年卒業までにはぶち抜いたる!って」
「ははっ、いまの似てる」
「え? そうですか? 今日も最後負けちゃいましたけど、僕も何とか巻島さんが卒業するまでには何とか強くなってって、思ってるんですけど…」
「また、そのときは勝負してもらえますか?」
「俺はいつも、お前と走ってるしょ。そう思えば勝負なんざいつでもできる」
「つづら折りの登りのカーブで、果てしなく続く一本道で、草生い茂る田舎道で、来年も、その次も、俺はお前の前を走ってる。だから抜け。強くなれ」
「俺たちの総北を頼むぜ、坂道」
「巻島さん?」
「俺はキャプテンとして、幸せな時間を過ごさせてもらった。
つらい練習に耐え、レースでもよく走ってくれた。皆には、本当に感謝してる。ありがとう」
「ありがとうございました!」
「総北高校自転車競技部、次のキャプテンはお前だ」
「二年、手嶋 純太!」
「青八木一!お前が副キャプテンだ」
「総北は優勝した。王者箱根学園を破った。そして同時に背負った。インターハイ優勝チームの重圧、責任、プレッシャーを。
次のインターハイ、いや、その前のレースから全てのチームにマークされるだろう。それを跳ね除け、勝たなければならない。絶対に、どんな状況でも」
「何故なら、俺たちは来年のインターハイでシングルゼッケンをつけて走る王者だからだ」
「来いよ、インハイでどれくらい強くなったか確かめてやるよ」
「あの人たちは、力技で俺たちを引き離すつもりだ!」
「あの人たちは力が無いから策略で来るはずだ。そう読んだ俺たちの裏をかいてきた!)
「フル加速するぞ!」
「わかっとる!」
「青八木、今何パーセントだ?」
「70%」
「だったら残り2キロ、100%にしてあいつらを引きちぎれ」
「わかった」
「どうした鳴子? その平坦スペシャルのディープホイールは伊達か?」
「今泉も、いつまでもエースでいられると思うなよ」
「一番気がかりなのはあいつだな。小野田」
(追いつけない。追いつかない…!頑張らなくちゃいけないのに…)
「弱気じゃだめだ! 弱気じゃだめだ!」
(弱、気じゃ…)
(巻島さん…)
――強くなれ――
(僕は、どうやって強くなればいいんですか)
弱虫ペダル NEW GENERATION 1話 twiterで反応が多かったシーンTOP3
3位「いたのぉ!?」
2位「小野田、いまから一本、峰ヶ山行くんだが、付き合うか?」
1位「新しいフレームだ」
管理人の一言
新しいバイクに変わる環境…小野田君頑張るんだ!
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